友情の定義

昔から北野武さん(ビートたけし)が好きで、映画はもちろん、彼の本もよく読むのですが、中でも「全思考」という一冊の中にあった「友情」について書かれている一節に心から納得し感銘を受け「自分の中の友情の定義」となっている文章を紹介いたします。

以下、【北野武著「全思考」】より抜粋

友情は金じゃあ買えないという話も同じことだ。金で買おうとする根性が間違っているという話ではなく、そもそも友情の意味がわかっていない。友情が金で買えないのは当たり前だ。何故かといえば、そんなものはハナっから存在しないからだ。ないものを買おうとしちゃいけない
「お前に困ったことがあったら、必ず俺が助けてやる。俺が困った時にはお前が助けてくれ。俺たち友達だもんな」こんなものは友情じゃない。
ヤクザの兄弟や杯と一緒で、単なる保険の掛け合いでしかないわけだ。保険は大きく、たくさんあった方がいいからヤクザは兄弟分をできるだけ増やそうとする。だけど2、3人の仲間内で掛け合う保険は、おろしようがない。というか、誰かが損をしなけりゃいけなくなる。ということは、誰かと友人になるということは最初から損をする覚悟をしておかなきゃいけない。いい思いをするというのは、相手に確実に迷惑をかけることになるのだ。
「お前が困ったら、俺はいつでも助ける。だけど、俺が困ったときは、俺は絶対にお前の前には現れない」これが正しい。
お互いにそう思っているところに、初めて友情は成立する。昔助けてやったのに、なんで今度は俺のこと助けてくれないんだ?なんて思うとしたら、そんなものは初めから友情じゃないのだ。自分が本当に困ってるとき、友達に迷惑はかけたくないと思うのがほんとうだろう。
要するに友情というのは、こっちから向こうへ一方的に与えるもので、向こうから得られる何かではない。友情とは、自分が相手に対する気持ちだ。
友情から何かを得ようと考えることが、そもそも間違っている。
損得尽くで考えるなら、友情は損するだけのもの。だけどあいつが好きだ。困っているのを知ったら、助けてやりたい。そういう自分の気持ちを、買えるとか買えないとか言っていること自体がおかしな話なのだ。(了)

2017年11月
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