七人の侍(映画)

七人の侍【Seven Samurai】[1954/日]
とにかく面白い!まったく非の打ち所がない奇跡的な神業作品!この映画一本で黒澤明がどんなにすごい監督だったかわかります。半世紀以上前にこんなすごい映画を撮ったなんてスピルバーグやルーカスも霞んで見えて日本映画を誇りに思います。
義理・人情・涙・笑・恋愛・人間模様・リーダーシップのすべてが描かれた3時間半の長編ですが最初から最後までまったく目が離せない脚本と演技に圧倒されます。

撮影当時あまりにかさむ製作費と撮影時間についに東宝本社側から撮影中止命令を出された黒澤監督は撮影済みのフィルムのみを編集し東映の重役らを集めて試写会。試写フィルムは、野武士が山の斜面を駆け下るのを見た菊千代(三船敏郎)が「ウワー、来やがった、来やがった!」と屋根で飛び上がる、ここからがクライマックスという場面で終了、がっくりきた重役達は「いくら使ってもいいですので、存分にお撮り下さい!」と黒澤監督に伝え撮影を再開したとのエピソードがあるほどです。

10代の頃初めて鑑賞した時には『何十年も前の白黒日本映画のなにが面白いのか?』といった本当に愚かな考えをもっていたのが、鑑賞後自分の中の邦画そして全ての映画に関する何もかもが変わりました。映画の面白さの全てが凝縮された、映画史上揺るぎもない最高傑作。この映画に出会えて本当に良かった,と心から言えるまさに日本の誇りの作品です。

無人島に持っていく一本の映画なら迷うことなく七人の侍!
今からこの作品を初めて観る方が羨ましいです。

なお、DVDで初めて観る方には、日本語字幕表示での視聴をお勧めします。黒澤映画の前期作品はセリフが聞きづらいのが唯一の難点ですので

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